小野不由美さんの『図南の翼 十二国記』は、12歳の少女・珠晶(しゅしょう)が、王を選ぶ麒麟のいる蓬山を目指す物語です。
私は『十二国記』が大好きで、原作も何度も読んできました。
Audibleになると知ったときは、本当にうれしくて、配信されている分はすべて聴きました。
その中から今回は、珠晶の旅を描く一冊を。あらすじとAudible版の情報に加えて、旅先でのやり取りや、声で味わう『十二国記』のよさを書きます。結末には触れずに紹介します。
『図南の翼』のあらすじ

王が現れるのを待つのではなく、珠晶は自分で蓬山へ向かいます。
舞台は、王が不在のまま27年が過ぎた恭国。街の治安は悪くなり、妖魔も出るようになっています。
裕福な家に生まれた珠晶は、衣食に困らず、学ぶ機会にも恵まれてきました。
それでも、家の外で国が荒れていく様子を見過ごせず、王になるための旅へ出ると決めます。
目指す蓬山までの道には、妖魔がいる黄海が横たわっています。
旅の途中で出会うのは、騎獣を狩る男・頑丘(がんきゅう)と、珠晶に力を貸す謎めいた男・利広(りこう)。
育った場所も考え方も違う相手と道を進むうちに、珠晶が知る世界は広がっていきます。
『図南の翼』Audible基本情報
- 著者:小野不由美
- ナレーター:羽飼まり
- 再生時間:11時間20分
- 配信日:2026年2月6日
- 配信形態:日本語・完全版/制作 Audible Studios
- ジャンル:ファンタジー
- Audible:プレミアムプラン聴き放題対象(2026年10月31日時点)
- シリーズ:『十二国記』Episode 6
- 受賞歴:『十二国記』シリーズが2020年に第5回吉川英治文庫賞を受賞
- 付属資料:PDFあり
- 関連書籍:文庫版、kindle版
Episode 6はシリーズ内の作品番号です。『月の影 影の海』からそのまま時間が進んだ続きではなく、約90年前の恭国が舞台になっています。
陽子の物語で十二国の世界を知った方は、今度は珠晶の立場から、王がいない国の暮らしに触れられます。
シリーズの入口にあたる陽子の物語は、『月の影 影の海(上)』のAudible感想に書いています。
付属PDFは、Audibleアプリの目次、またはPCサイトのライブラリーから開けます。開く場所を知りたい方は、Audibleの付属PDFの見方も参考にしてください。
新潮文庫版に加え、電子書籍版は2026年10月15日に配信されました。文字で原作を読む方法も選べます。



吉川英治文庫賞は『図南の翼』一冊だけの受賞ではなく、『十二国記』シリーズに対するものです。
Audibleで『図南の翼』を聴いた感想



何度も本で読んできた十二国の世界を、今は声でも楽しめる。それがうれしいです。
『十二国記』の朗読が好きで、配信分を続けて聴いてきました。
『図南の翼』では、珠晶の言葉と、大人たちが返す言葉の違いを味わいたくなります。
珠晶と頑丘、利広。同じ道を歩いても会話が違う
不自由のない家を出て、珠晶が黄海へ向かう。まずはこの出発に勢いがあります。周りの大人を待たずに動き出す12歳の少女と、危険な土地を知る頑丘。二人の会話には、育った環境の違いがそのまま顔を出します。
珠晶は思ったことをはっきり言い、頑丘にも自分の考えをぶつけます。一方で、知らない土地では彼の知識や経験が必要になる。言い合いだけで終わらず、その先も二人が同じ道を進んでいくところまで楽しめる旅です。
そこへ利広も加わると、珠晶と頑丘だけのときとは会話の温度が変わります。誰か一人の言葉だけで話が進まないので、旅の途中のやり取りにも目を向けたくなりますね。
私はこのシリーズを、原作でも何度も読んできました。一冊ごとに中心になる人物や国が変わっても、同じ十二国の世界へ戻ってこられる。『図南の翼』も含めて、やっぱり大好きなシリーズです。
羽飼まりさんの声で聴く、珠晶の言葉と黄海の旅
珠晶の勢いのある受け答えと、頑丘や利広の大人としての話し方。羽飼まりさんの演じ分けで、三人が同じ場所に立って会話する場面が立ち上がります。珠晶が言葉をぶつけるたび、相手がどう返すのかにも耳が向く朗読です。
私は、羽飼まりさんの『十二国記』の朗読がとても好きです。会話で人物を描きながら、地の文では黄海の広さや道中の空気を伝えてくれる。原作を何度も読んできた私にも、声で聴く楽しみがあります。
珠晶、頑丘、利広と、旅の仲間それぞれの声を受け取れるのもAudible版の楽しみです。本で親しんできた『十二国記』を、羽飼まりさんの朗読でも味わえるのは、私にとってうれしいことでした。
『図南の翼』はこんな人におすすめ
珠晶の旅を読んでみたい方や、原作に親しんできて音声版も気になっている方に手に取ってほしい一冊です。
- 十二国記の別の国・別の時代の物語も読みたい人
- 自分で道を切り開く主人公の冒険を楽しみたい人
- 旅の仲間との会話を味わいたい人
- 原作を読んでいて、今度は羽飼まりさんの声で聴きたい人
- 珠晶が蓬山を目指したいきさつを知りたい人
まとめ
『図南の翼』は、12歳の珠晶が蓬山を目指し、頑丘や利広との出会いを重ねていく『十二国記』の一冊です。
Audible版には付属PDFがあり、羽飼まりさんによる完全版で楽しめます。
何度も原作を読んできた私にとって、Audibleでも『十二国記』を聴けるのは大きな喜びです。
Audible版はプレミアムプランの聴き放題対象です。無料体験の対象となる方は、体験期間中に聴くこともできます。
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