Audibleで道尾秀介さんの『カラスの親指』を聴きました。
過去を抱えた二人の詐欺師と、突然一緒に暮らすことになった三人の若者が、大きな計画へ挑むミステリーです。軽快な会話の裏に細かな仕掛けがあり、聴き終えてから場面の意味を考え直したくなります。
この記事では、ネタバレを抑えながら、あらすじ、Audible版の基本情報、多田啓太さんのナレーション、聴きやすさ、映画版との関係をまとめます。
『カラスの親指』のあらすじ

人生につまずいた五人が同じ家に集まり、一世一代の計画へ動き出します。
タケとテツは、競馬場などで人をだまして金を得る中年の詐欺師です。互いに事情を抱えながら二人で暮らしていたところ、若い女性のやひろと出会います。
やがて、やひろの妹まひろと、その恋人の貫太郎も加わり、他人同士の五人と一匹による共同生活が始まります。失敗ばかりに見える日々の中で、彼らは過去に関わる相手をだますため、大きな計画を立てます。
家族のようになっていく五人の関係と、何重にも組み立てられた仕掛けが一つにつながる物語です。
『カラスの親指』Audible基本情報
- 著者:道尾秀介
- ナレーター:多田啓太
- 再生時間:13時間6分
- 配信日:2020年3月13日
- ジャンル:ミステリー、コンゲーム小説
- Audible:聴き放題対象として配信あり
- 映画『カラスの親指』は2012年11月23日公開
- 受賞歴:第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)
- シリーズ:続編『カエルの小指 a murder of crows』あり
- 関連商品:文庫、単行本、kindle版(0円対象) など
『カラスの親指』は、道尾秀介さんが初めて直木賞候補になった作品で、第62回日本推理作家協会賞を受賞しています。詐欺の手口だけでなく、五人が一緒に暮らす時間が物語の土台になっています。
2012年には阿部寛さん、村上ショージさん、石原さとみさん、能年玲奈さん、小柳友さんの出演で映画化されました。続編の『カエルの小指』は本作の出来事を受けた物語なので、先に『カラスの親指』を聴く方が人物関係を理解しやすいです。
Audibleで『カラスの親指』を聴いた感想



楽しい共同生活と詐欺の緊張感が同時に進み、最後まで気を抜けない作品でした。
序盤はタケとテツの会話に笑える場面があり、三人の若者が加わってからは不器用な家族小説のようにも感じます。
しかし、何げない言葉や行動が後半の仕掛けにつながり、最初に受けた印象が少しずつ変わりました。
五人の会話が楽しく、人物を好きになれる
詐欺師が主人公ですが、冷たい犯罪小説ではありません。タケとテツの掛け合い、やひろの強さ、まひろの繊細さ、貫太郎の素直さが重なり、共同生活の場面には温かさがあります。
それぞれが嘘や秘密を抱えているため、完全に信用してよい人物ばかりではありません。それでも、一緒に食事をし、計画を考える姿を聴くうちに、五人が無事でいてほしいと思うようになりました。
多田啓太さんの朗読で五人を聞き分けやすい
多田啓太さんは、タケとテツの年齢差や、やひろ、まひろ、貫太郎の性格を声の高さと話す調子で分けています。会話が続く場面でも、誰の発言か迷いにくい朗読です。
特にタケの落ち着きとテツの人懐こさが伝わり、二人のやり取りを耳で聴く楽しさがありました。大げさな演技で仕掛けを目立たせず、物語の自然な流れを保っている点も合っています。
前半はながら聴きでも、後半は集中したい
再生時間は13時間6分です。共同生活が始まる前半は会話を中心に進むため、人物を覚えれば比較的聴きやすいです。
一方、計画が動き出してからは、小さな言動や情報の意味が重要になります。後半を聞き流すと仕掛けをつかみにくいため、集中できる時間に聴く方が面白さを受け取りやすいです。
結末を知ると最初から確かめたくなる
この作品の面白さは、大きな仕掛けが明かされることだけではありません。序盤から置かれていた情報が別の意味を持ち、人物への見方まで変わります。
結末を知ったあとに冒頭へ戻ると、会話の間や声の調子にも気づく点があります。音声版は少し戻して確認しやすく、多田啓太さんの演じ分けを含めて二度目も楽しめる作品です。
『カラスの親指』はこんな人におすすめ
仕掛けのあるミステリーと、家族のような人間関係を一緒に楽しみたい方に向いています。
- 最後に見方が変わるミステリーが好きな人
- 詐欺師たちの計画を描く物語を楽しみたい人
- 五人の会話を聞き分けやすい朗読を求める人
- 13時間ほどの長編をじっくり聴きたい人
- 映画版や続編の前に原作を知りたい人
反対に、仕掛けを考えず短時間で聴ける作品を探している方や、詐欺を題材にした物語が苦手な方には向きません。
まとめ
『カラスの親指』は、二人の詐欺師と三人の若者が共同生活を送りながら、大きな計画へ挑む長編ミステリーです。
多田啓太さんの朗読で五人を区別しやすく、軽快な会話と緊張感のある展開を楽しめます。結末を知ると、最初の場面から確かめたくなる作品でした。
Audibleの聴き放題対象として配信されているため、無料体験中にも試せます。初めて利用する方は、Audibleの登録方法も確認してください。
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