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『鑑定人 氏家京太郎』Audible感想|科学鑑定から三人目の事件を読み解く

『鑑定人 氏家京太郎』Audible感想|科学鑑定から三人目の事件を読み解く

中山七里さんは、Audibleをきっかけに好きになった作家です。これまで40作品以上を聴いてきました。

『鑑定人 氏家京太郎』も、その一冊。民間の鑑定人が主人公です。

依頼は、連続殺人事件の証拠をもう一度調べること。容疑者は二人の殺害を認めているのに、三人目については否認しています。

この食い違いを、氏家はどう確かめるのか。物語の中心にあるのは、証言だけでは決められない事実です。

結末のネタバレを避けて、あらすじとAudible版の情報、作品の見どころをまとめます。

目次

『鑑定人 氏家京太郎』のあらすじ

二人の殺害は認める。でも三人目は自分ではない。その主張と証拠の食い違いから、再鑑定が始まります。

民間の科学捜査鑑定所〈氏家鑑定センター〉に、弁護士から依頼が届きます。女子大生三人を殺害したとされる男の事件です。

男は二件の殺害を認めながら、残る一件を否認しています。すべてを同じ犯人による事件として扱ってよいのか。所長の氏家京太郎は、提出された鑑定内容を見直します。

相手は警視庁の科捜研。鑑定の根拠を確かめようとする氏家たちの前には、試料の盗難や職員への暴行といった妨害も起こります。

証拠は何を示しているのか。そして、誰がその検証を阻もうとしているのか。科学鑑定と裁判が結びついて、事件の別の姿が見えてきます。

『鑑定人 氏家京太郎』Audible版の基本情報

Audible版は外崎友亮さんの朗読です。シリーズの入口にあたる第1作なので、ここから読み始められます。

  • 著者:中山七里
  • ナレーター:外崎友亮
  • 再生時間:8時間25分
  • 配信日:2025年2月7日
  • ジャンル:ミステリー/鑑定サスペンス
  • Audible:聴き放題対象
  • シリーズ:鑑定人・氏家京太郎 第1作
  • 関連商品:ペーパーバック、単行本、電子書籍

単行本は2022年1月20日、双葉文庫版は2025年2月13日に刊行されました。続編には『氏家京太郎、奔る』があり、同作もAudibleで配信されています。

氏家は中山七里さんのほかの小説にも登場する人物ですが、本作では鑑定所と仕事そのものが物語の中心になります。

ほかのシリーズをすべて読んでおかなくても大丈夫です。

Audibleで聴く『鑑定人 氏家京太郎』の感想

犯人の言葉を信じるかどうかではなく、証拠が何を示しているかを確かめる。氏家の立ち位置が、この物語を動かします。

本作では、事件を解く役割が鑑定人に置かれています。警察の捜査とは少し違う角度から、一つの事件を見られる小説です。

三人目だけを否認する、その食い違いが謎になる

無実を訴える人物の話なら、その言葉を信じたくなります。でも、この容疑者は二人を殺したことを認めています。

だからといって、三人目も同じ男が殺したと決めてよいのか。ここを曖昧にせず、一件ずつ証拠で確かめるところに、本作ならではの面白さがあります。

誰を応援するかだけでは整理できない問いが、最初から置かれているんですよね。被害者一人ひとりの事件を、ひとまとめにしない物語でもあります。

氏家が向き合うのは、権威よりも鑑定の根拠

警察が調べた結果だから正しい。民間の鑑定だから頼りない。本作の氏家は、そうした立場だけで結論を出しません。

どんな試料から、どんな手順で、その結果に至ったのか。鑑定をやり直す過程が、そのまま謎を解く過程になっています。

証拠の名前が出て終わりではなく、それが何を意味するのかが争われる。科学捜査の手続きが、人の人生を左右する裁判へつながっていくところに読みごたえがあります。

同じ中山七里さんの法廷ミステリーでは、『贖罪の奏鳴曲』も聴いています。弁護士を中心にした物語と、鑑定人を中心にした本作では、事件に向き合う位置が違います。

外崎友亮さんの声で、鑑定をめぐる言葉を聴く

Audible版では、氏家たちの会話も、鑑定についての説明も、外崎友亮さんの声で語られます。文字で読むときとは違い、登場人物が交わす言葉を音として受け取れるのが音声版です。

本作で大事なのは、誰が強く言い切ったかより、その言葉を支える根拠があるかどうか。会話の中にある主張と、証拠から導かれる事実。その違いを考える楽しさがある作品です。

どんな人にすすめやすい?

鑑定の結果が事件の見方を変える小説なので、科学捜査や法廷ミステリーが好きな方の候補に入る一冊です。

こんな人におすすめです
  • 科学捜査を扱うミステリーが好きな人
  • 証拠を読み解く過程に興味がある人
  • 法廷で交わされる議論が好きな人
  • 中山七里さんの別シリーズを読みたい人
  • 外崎友亮さんの朗読で小説を楽しみたい人

まとめ

『鑑定人 氏家京太郎』は、民間の鑑定人が連続殺人事件の証拠を検証する、シリーズ第1作です。二人の殺害を認める男が、なぜ三人目だけを否認するのか。その食い違いを出発点に、科学鑑定と裁判がつながっていきます。

中山七里さんの小説を、今度は鑑定人の立場から読む。これまで刑事や弁護士の物語を楽しんできた方にも、手に取りやすい入口です。

『鑑定人 氏家京太郎』はAudibleプレミアムプランの聴き放題対象です。無料体験の対象となる方は、体験期間中に聴くこともできます。利用条件は登録画面で確認してください。

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