早見和真さんの『笑うマトリョーシカ』をAudibleで聴きました。
水川あさみさん主演のドラマの原作ですが、小説は清家と鈴木の高校時代から始まります。二人の出会いを知ってから現在の姿を見ると、この関係が気になってきます。
人前では輝いて見える清家一郎。その隣には、高校時代から彼を知る秘書の鈴木俊哉がいます。清家の成功を支えてきた鈴木は、彼のいちばんの理解者なのか。それとも、思いどおりに動かしているのか。
Audible版は蒼木智大さんの朗読で、プレミアムプランの聴き放題対象です。ここからは結末に触れず、あらすじと基本情報、人物の見え方が変わっていく面白さを紹介します。
『笑うマトリョーシカ』のあらすじ

表に立つ清家と、隣で支える鈴木。高校時代から続く二人の関係が、物語の入口です。
舞台は四国・松山。人を惹きつける力を持った清家一郎と、そんな彼の才能に気づく鈴木俊哉が、名門高校で出会います。
やがて清家は政治家に、鈴木はその秘書に。二人は政治の世界で地位を築き、清家は若くして官房長官となります。
そんな清家を取材した記者・道上香苗は、彼が誰かに動かされているのではないかと疑い始めます。秘書、家族、過去を知る人たち。清家に近づくほど、その周りで起きた不審な出来事も見えてきます。
『笑うマトリョーシカ』Audible基本情報
- 著者:早見和真
- ナレーター:蒼木智大
- 再生時間:15時間22分
- Audible配信日:2024年9月6日
- 配信形態:完全版・日本語
- 制作・配信:Audible Studios
- ジャンル:ミステリー/政治サスペンス
- Audible:プレミアムプランの聴き放題対象
- 映像化:2024年にTBS系でドラマ化。水川あさみ主演、玉山鉄二・櫻井翔らが出演
- 関連書籍:単行本、ペーパーバック、kindle版(0円対象)
単行本は2021年11月、文春文庫は2024年6月に発売されました。文庫は496ページで、中江有里さんの解説が収録されています。Audible版の配信日は、本の発売日とは別です。
ドラマでは道上香苗が主人公で、水川あさみさんが演じています。清家役は櫻井翔さん、鈴木役は玉山鉄二さん。小説は清家と鈴木の若い頃から関係を描くため、ドラマから入る方にも別の入口があります。
『笑うマトリョーシカ』をAudibleで聴いて



清家をよく知っているはずの人が語る。その言葉を、どこまで信じるかが気になる作品です。
清家の秘密だけでなく、彼のそばにいる人たちの思惑にも目が向きます。とくに二人の高校時代と、周囲の人物が清家について語る部分が、この小説の面白いところです。
清家と鈴木の高校時代があるから、秘書という立場が気になる
清家と鈴木は、政治家と秘書になる前に出会っています。清家の人を惹きつける力と、鈴木の戦略。高校時代から始まる二人の組み合わせには、これから何かが動き出す勢いがあります。
その先にあるのが、官房長官にまで上り詰めた清家です。二人でつかんだ成功に見えるのに、道上の疑いが入ると、隣にいる鈴木の姿まで違って見えてきます。
「彼を支えたい」と「彼を動かしたい」。鈴木が清家の隣にいる理由は、どちらなのか。この小さなずれが、先の展開を気にさせます。
清家を語る人にも、隠しているものがある
清家のことを知りたくて聴いているのに、秘書や家族の話が、その人自身の欲望まで見せてきます。清家をどう見ているのかと同じくらい、清家に何を望んでいるのかが気になる。
誰か一人を疑えば終わる話には収まりません。清家を理解したつもりでいる人の言葉にも、別の人物から見ると違う顔があります。
蒼木智大さんの声で聴く、自伝と独白
清家の自伝と、秘書や家族たちの独白。Audible版は、それぞれの言葉を蒼木智大さん一人の朗読で聴いていきます。清家本人が見せる顔と、周囲の人物が語る顔を、声を通して比べられる構成です。
表向きの経歴が語られる部分から、身近な人の思惑へ。語る立場が変わるたびに、同じ清家との距離も変わります。会話のやり取りに加えて、こうした独白を耳で受け取れるところも、Audibleで触れたい部分です。
清家の周りから一枚ずつ顔が見えてくる。そのたびに次は誰が何を語るのか、気持ちを向けたくなる作品だと思います。
こんな人にすすめたい一冊
清家と鈴木の関係や、語り手ごとに違う人物像に惹かれた方に合う作品です。
- 政治家と秘書の関係が気になる人
- 一人の人物像が変わっていくミステリーが好きな人
- 友情に野心が入り込む物語が好きな人
- ドラマの原作も知りたい人
- 登場人物の独白を朗読で聴くのが好きな人
まとめ
『笑うマトリョーシカ』は、清家一郎という政治家と、彼のそばにいる人たちの思惑が絡み合うミステリーです。高校時代の出会いから始まる清家と鈴木の関係を知ると、二人が並ぶ姿にも目が留まります。
ドラマでは記者の道上が中心。小説では、清家を取り巻く人々の言葉に触れながら、その姿を探っていきます。清家は誰かの操り人形なのか。その問いを胸に聴き進めてみてください。
Audible版はプレミアムプランの聴き放題対象です。無料体験の対象となる方は、体験期間中に聴くこともできます。
\まずは無料でお試し/


