D機関の敵は、外国のスパイだけではない。同じ陸軍の中に、対抗する「風機関」が作られます。柳広司さんの『ダブル・ジョーカー』は、ここが面白かった一冊です。
私はアニメから『ジョーカー・ゲーム』に入りました。登場人物がとにかくかっこよく、Audibleでもその世界に浸れた、大好きなシリーズです。第2作では、D機関とは考え方の違う風機関が出てきて、二つの組織の対比を楽しめました。
表題作だけでなく、結城中佐のスパイ時代に関わる「柩」も収録されています。結末には触れず、Audible版の基本情報、アニメとのつながり、聴いた感想をまとめます。
『ダブル・ジョーカー』のあらすじ

結城中佐のD機関に、新たな諜報組織・風機関が挑みます。
陸軍の中で、結城中佐が率いるD機関は独自のやり方で成果を上げています。語学や観察、心理戦を武器にする精鋭たち。その存在を快く思わない者もいました。
そこで設立されたのが、陸軍軍人を集めた風機関です。D機関を排除し、自分たちがその位置に立とうと動き始めます。
「死ぬな、殺すな」を重んじるD機関に対し、風機関は殺すことも死ぬこともためらわない。正反対の方針を持つ二つの組織が、諜報戦でぶつかります。
表題作のほか、海外での任務や結城中佐につながる物語も展開する、シリーズ第2作の短編集です。
『ダブル・ジョーカー』Audible基本情報
第2作の配信情報と、原作の版による違い、アニメで描かれたエピソードをまとめました。
- 著者:柳広司
- ナレーター:吉開清人
- 再生時間:7時間30分
- Audible配信日:2016年12月21日
- 配信形態:完全版・日本語
- 配信元:KADOKAWA
- ジャンル:スパイ小説、ミステリー
- Audible:プレミアムプランの聴き放題対象
- シリーズ:『ジョーカー・ゲーム』第2作
- 映像化:収録作がTVアニメ『ジョーカー・ゲーム』で映像化
- 関連書籍:単行本、角川文庫、kindle版(0円対象)
単行本は2009年8月、角川文庫は2012年6月に発売されました。紙の角川文庫には、単行本の5編に加えて「眠る男」が特別収録されています。本で読んでみたい方は、版による収録内容の違いも選ぶときのポイントです。
アニメでは、表題作が第8・9話の前後編、「柩」が第11話にあたります。アニメの一話を気に入って原作を探すとき、この巻との対応が分かると手に取りやすいと思います。
シリーズの順番は『ジョーカー・ゲーム』→『ダブル・ジョーカー』→『パラダイス・ロスト』→『ラスト・ワルツ』。Audibleでは4作とも吉開清人さんが朗読しています。



第1作からの感想は、『ジョーカー・ゲーム』シリーズの記事にも書いています。
『ダブル・ジョーカー』をAudibleで聴いた感想



風機関が出てきたことで、D機関のやり方がいっそう際立つ巻でした。
私はこのシリーズの、会話や観察から相手の手の内を探る頭脳戦が好きです。
第2作では、その駆け引きが同じ陸軍の中でも起きます。
風機関の登場で、D機関のやり方をあらためて楽しめました。
風機関と並ぶと、D機関のかっこよさが際立つ
同じ陸軍のスパイ組織なのに、D機関と風機関では、任務に向かう考え方がまるで違います。この対比が、私はかなり面白かったです。
相手を力で倒すことより、気づかれずに情報を手に入れること。D機関のスパイたちは、会話や相手の振る舞いから状況を読んで動きます。
私は、登場人物たちのこういう静かなかっこよさが好きです。結城中佐がどんな手を用意しているのか、その駆け引きに引き込まれました。
吉開清人さんの落ち着いた声と、アニメで知った情景
吉開清人さんの朗読は、落ち着いた声がこのシリーズのスパイものの空気に合っていました。会話から相手の出方を探る場面にも、その落ち着きがしっくりきます。
私は先にアニメを見ていたので、聴いている間も登場人物や場面が思い浮かびました。アニメの声を知っていても、Audibleの朗読には違和感なく入れたのがよかったです。
映像で見たかっこよさを、今度は言葉から受け取る。吉開さんの声で聴くと、何気ない会話の裏にある駆け引きにも気持ちが向きました。D機関の世界を、音声でも楽しめた一冊でした。
こんな人におすすめです
第1作でD機関が気になった方にも、アニメから原作を聴いてみたい方にも手に取ってほしい巻です。
- スパイ組織同士の駆け引きが好きな人
- 結城中佐の謎めいた人物像が好きな人
- 力より知恵で切り抜けるスパイ小説が好きな人
- アニメ『ジョーカー・ゲーム』が好きな人
- 落ち着いた声で語られるミステリーが好きな人
まとめ
『ダブル・ジョーカー』では、D機関と正反対の方針を持つ風機関が登場します。私はこの対比が面白く、D機関のスパイたちのかっこよさをあらためて楽しめました。
表題作の頭脳戦に加え、「柩」では結城中佐の過去につながる物語にも触れられます。アニメから入った私にとって、知っている情景を吉開清人さんの朗読で思い描けることも、このシリーズを聴く楽しみでした。
Audible版はプレミアムプランの聴き放題対象です。無料体験の対象となる方は、体験期間中に聴くこともできます。
\まずは無料でお試し/


