森博嗣さんの『すべてがFになる』をAudibleで聴きました。
聴いてみようと思ったきっかけは、朗読を担当している池添朋文さんです。私は池添さんの声が大好きで、「この人がナレーターなら聴いてみたい」と選びました。
そこからS&Mシリーズを全作聴きました。森作品はWシリーズも全11作を聴いていますが、今回は犀川創平と西之園萌絵が登場するS&Mシリーズの第1作について書きます。
舞台は、孤島にある研究所。人の出入りが管理された場所で起きる密室事件と、天才・真賀田四季の存在が重なる一冊です。第1回メフィスト賞の受賞作でもあります。ここでは事件の答えには触れず、作品の見どころとAudible版の基本情報をまとめます。
『すべてがFになる』のあらすじ

外との接触を断って暮らす真賀田四季。その部屋から、あるはずのない姿が現れます。
犀川創平と学生の西之園萌絵は、島の研究所で不可解な事件に遭遇します。研究所の設備や記録が、密室の謎と結びついていきます。
研究所で隔離された生活を送る四季は、優れた頭脳を持つ工学博士です。彼女の部屋からウエディングドレス姿の死体が現れたことで、閉ざされていた空間が事件の中心になります。
部屋に残った言葉は「すべてがFになる」。犀川と萌絵は、コンピュータに残された手掛かりと、人々の話をもとに密室の仕組みに迫ります。タイトルの意味も、最後まで明かさずに楽しみたいところです。
『すべてがFになる』Audible基本情報
Audible版は池添朋文さんによる完全版の朗読です。
- 著者:森博嗣
- ナレーター:池添朋文
- 再生時間:17時間31分(完全版)
- 配信日:2022年3月18日
- ジャンル:ミステリー・推理小説
- Audible:プレミアムプラン聴き放題対象として配信あり
- 映像化:2014年にテレビドラマ化、2015年にテレビアニメ化
- 受賞歴:第1回メフィスト賞
- シリーズ:S&Mシリーズ第1作
- 関連商品:講談社文庫版・kindle版・コミック版
本作は、犀川創平と西之園萌絵が登場するS&Mシリーズの第1作です。
ドラマやアニメでも描かれた研究所の事件を、Audibleでは原作小説の朗読で楽しめます。
『すべてがFになる』をAudibleで聴いた感想



研究所の密室だけでなく、犀川、萌絵、四季という三人にも目を向けたい作品です。
本作には、事件の仕組みを考える面白さと、人の考え方に触れる面白さがあります。ネタバレを避けながら、作品の見どころと、私が大好きな池添朋文さんの朗読について書いていきます。
研究所の設備そのものが密室の謎になる
本作の舞台は、昔ながらの屋敷ではなく、コンピュータで管理された研究所です。人が通れる場所、記録される情報、閉じた部屋。建物や設備が単なる背景で終わらず、推理の材料になります。
「誰が怪しいか」に加え、「この環境なら何ができるのか」という方向にも考えが広がる。理系ミステリーと呼ばれる本作らしさが、舞台の作り方から伝わってきます。
犀川と萌絵の会話が事件にもう一つの表情を加える
犀川と萌絵は、先生と学生という関係です。同じ出来事に向き合っていても、言葉の選び方や関心を向ける先が重なりきりません。そのずれが、二人の会話を動かしています。
論理を組み立てる場面と、互いの距離が見えるやり取りが同じ物語にある。事件の答えだけを知るのとは違い、二人が何を話すのかにも読む楽しみがあります。Audible版でも、こうした会話を含めて原作の文章に触れられます。
真賀田四季が「密室の中の人」で終わらない
四季は、事件を説明するためだけの人物ではありません。なぜ外との交流を断っているのか、どんな考え方をするのか。研究所の事件に触れるほど、彼女自身についても知りたくなる構成です。
謎を解く犀川と萌絵、そして四季。三人の存在を合わせて読むことで、閉じた部屋の事件が、人間の思考をめぐる物語にもなります。密室の仕組みと人物の両方を楽しめる一冊だと思います。
池添朋文さんの声が好きで、シリーズ全作を聴きました
私にとって、この作品をAudibleで聴く楽しみの一つが、池添朋文さんの朗読でした。好きなナレーターの方なので、作品を選ぶときにも名前を見つけると気になります。
池添さんは、とにかく声が素敵なんです。言葉が聞き取りやすく、男性と女性の声の使い分けもとても上手だと思います。
一人で朗読しているのに、会話になるとそれぞれの人物の違いが伝わってきます。犀川や萌絵たちのやり取りを、池添さんの声で聴けるのが良かったです。
「池添さんが読んでいるから聴いてみたい」が、S&Mシリーズを全作聴くきっかけになりました。作品との出会い方はいろいろありますが、好きな声から一冊を選ぶのも、Audibleの楽しさだと感じました。
『すべてがFになる』こんな人におすすめです
密室の謎と、シリーズを通じて登場する人物に関心がある方には、最初の一冊として手に取りやすい作品です。
- 孤島や研究所を舞台にした密室ミステリーが好きな人
- 犀川創平と西之園萌絵のやり取りを楽しみたい人
- 真賀田四季という人物に興味がある人
- ドラマやアニメの原作を読んでみたい人
- 森博嗣のS&Mシリーズを最初の一冊から知りたい人



閉ざされた建物で起きる事件を楽しみたい方には、『硝子の塔の殺人』のAudible感想もあります。舞台や人物の雰囲気は異なりますが、館と密室という切り口で次の一冊を選べます。
まとめ
『すべてがFになる』は、孤島の研究所で起きる密室事件と、犀川・萌絵・四季の三人が印象を形作るミステリーです。第1回メフィスト賞受賞作であり、S&Mシリーズの入り口にもなっています。
私にとっては、大好きな池添朋文さんの朗読をきっかけに出会い、シリーズ全作を聴くことになった一冊でした。声の魅力と人物の演じ分けも含めて、Audibleで楽しめて良かったと思います。
Audible版はプレミアムプランの聴き放題対象です。無料体験の対象となる方は、体験期間中に本作を試せます。
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